アルバイトやパートでも「有給休暇」がとれることは比較的知られるようになってきました。それでも「仕事が忙しくて、有給休暇がとれなかった」「なかなか有給休暇がとりたいと言い出せず、消化できなかった」ということはよくあります。そこで、今回は有給休暇が残っている場合の退職方法、有給消化できないときの対処法について紹介します。
有給休暇が残ったまま退職したら
アルバイトやパートを辞める前に有給が残っていて有給消化したい人は、退職前に使う必要があります。有給休暇を使えずに退職すると、有給の権利は消滅します。退職後に有給休暇分の給与をもらうこともできません。
残っている有給休暇の日数を確認する方法
残っている有給休暇の日数を確認するには、自社の人事部門や労務担当者に問い合わせるのがもっとも確実な方法です。問い合わせる際には、自分の有給休暇の正確な残日数だけでなく、有給休暇の取得ルールや期限についても確認しておきましょう。
また、有給休暇の残日数は、従業員の勤怠管理システムや給与明細、タイムカードなどに記載されている場合もあります。
有給消化をする時に気を付けること
1か月前には伝えること
退職の意思を最低でも1か月前に上司や責任者に伝え、有給消化の希望も合わせて相談しましょう。退職までの十分な期間を設けることができれば、後任の人員配置や業務の引き継ぎをスムーズに行えるため、勤務先企業の負担を軽減できます。また、業務の進行状況に配慮しながら余裕を持って有給休暇を消化できるでしょう。
最終出社日の前に有給休暇を消化する
最終出社日の前に有給休暇を消化する場合は、退職日までのあいだに未使用の休暇をまとめて取得する、あるいは少しずつ取得して使い切る方法があります。消化計画を立てる際は、業務の引き継ぎや同僚への影響が最小限になるよう配慮したうえで、最終出社日となる退職日を設定してください。
最終出社日のあとに有給休暇を消化する
最終出社日のあとに有給休暇を消化する場合は、最後に勤務した日の翌日から未消化の休暇を取得し、その期間を経て退職の手続きを行います。たとえば、最終出社日を3月10日とし、そのあと10日間の有給休暇を消化する場合の退職日は、3月20日となります。この方法で有給休暇を消化する際には、職場での引き継ぎを完了させておくことが大切です。
有給休暇の消化を拒否されたときの対処法
労務担当者に相談する
直属の上司に有給休暇の消化を拒否された場合は、会社の労務担当者に相談するとよいでしょう。相談の際には、まず自分が取得したい有給休暇の日数と理由を明確に説明し、そのうえで労務担当者と日程を調整しましょう。また、労務担当者に有給休暇の買い取りについて相談するのも一つの方法です。労働基準法では、有給休暇の買い取りは原則として禁止されていますが、一部の企業では特例として許可していることがあります。
労働基準監督署に相談する
有給休暇の消化を会社に相談しても拒否される場合は、労働基準監督署に相談することを検討しましょう。労働基準監督署は、労働関連の法律遵守を監督し、労働者の権利保護を目的としている政府機関です。相談する際は、有給休暇の申請書や勤務記録などの証拠資料を準備し、自分が属する地域の監督署に連絡します。連絡方法は、電話・メールのほか、直接訪問することも可能です。
ただし、労働基準監督署は、法律にもとづいたうえで会社に対して指導を行う役割を担っているため、トラブルの仲介や直接的な解決をしてくれるわけではありません。大きなトラブルがある場合は、法的な支援を行う弁護士への相談を検討するとよいでしょう。
まとめ
退職時に未消化の有給休暇がある場合は、適切に処理したうえで、労働者としての権利を守りましょう。
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